印度カリー子さんのスパイスカレーを知ってから、カレー作りが楽しいです。カレー・グレイビーの基本レシピがやたら覚えやすいですし(ニンニク1片、ショウガはニンニクと同じくらい、玉ねぎ1個、トマト1個、ターメリック・クミン・コリアンダー・塩が各小さじ1、だけ!)、アレンジの許容範囲がとにかく広いのが嬉しいです。
グレイビーを作り置きしておけば、その日スーパーで見かけた美味しそうな肉や野菜ですぐにカレーができます。一口にカレーと言っても、スープにしても、煮物にしても、炒めものにしてもよいのです。まるで土井善晴さんの「一汁一菜でよいという提案」のような気軽さで、僕にとってスパイスカレーが「ちょっと特別な料理」ではなく「思い立ったときに食べられるもの」になりました。
カレーのグレイビーを作るときに最も時間がかかるのは玉ねぎの下準備と飴色になるまで炒める作業です。東京カリ~番長さんの記事では飴色玉ねぎを素早く作るコツとして「強火で炒める」「放置して動かすを繰り返す」「差し水をする」と説明されていて、たしかにその通りにするとうまくいきます。とはいえ10~15食分のグレイビーを一度にまとめて作ろうとするとやっぱり大変で、炒める時間もかかります。「一汁一菜」で言うところの味噌にあたるものなので、手間がかかるのはあるていどしょうがありませんが、この部分をなんとかしたい……(市販のルーを買ってきてもいいんですが)。
省力化するためにホットクックを導入したりもしましたが、電気料金高騰のおり何時間もホットクックを稼働するのがもったいないだけでなく、とにかく時間がかかるのでした(たとえば2年前に書いた記事では加熱時間だけで270分=4時間半かかっています)。今年のように暑い日が続く夏には、ホットクックであってもこんなに長い時間使い続けるのはたまりません。また、玉ねぎのみじん切りも目が痛くてつらいんですよね。そこで、玉ねぎ部分をごっそり外注することにしました。
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フライドオニオン(例:amzn.to/3KN4qaB)やドライオニオン(例:amzn.to/3siROBO)を使用するというのも良さそうでしたが、ハーバートレーディングの「あこがれのアメ色タマネギペースト」(業務用1 kg amzn.to/3YISY5N)というものを見つけたので使ってみました。(二人分だけ作るとかだったら200 gずつの小分けになったものもあります amzn.to/47GxZVm)
準備
用意したのは以下のもの(フライパンへの投入順)。意外と気にしなくてもそれなりのものが作れることがわかってしまったので、分量は適当です。足りなかったら後で足せばいいので、スパイス類も本当にテキトーなかんじですが、だいたい15~20食ぶんくらいを想定しています。メーカーサイトの記述によると玉ねぎペースト1 kgは赤たまねぎ2.5 kgに相当するとのことですが、袋の中身はけっこうしゃばしゃばだったので、感覚的ですが玉ねぎは半分くらいの量(1.2~1.5 kgくらい?)として考えても良いかと思いました。印度カリー子さんのレシビだと玉ねぎとトマトが同量なので、今回のトマトは少なかったかもしれませんが、それも気にしなくて大丈夫。
- 食用油(大さじ1)
- チューブのニンニク(1本43 g)
- チューブのショウガ(1本40 g)
- アメ色タマネギペースト(1袋1 kg)
- カットトマト(1缶400 g)
- ターメリック(大さじ2)
- クミン(大さじ2)
- コリアンダー(大さじ2)
- 塩(大さじ2)
- その他、好みに合わせて(唐辛子、ブラックペッパー、シナモン、カルダモン、クローブなどなど)
炒めて水分を飛ばすだけ
食材の皮をむいたり切ったりという部分がないので、炒めるだけです。
フライパンに油をしいて、まずはニンニクとショウガを入れて熱し、油に香りをつけます。続いてタマネギペーストを投入します。チューブや袋の中身を全量投入するだけの、ダイナミックな
しゃばしゃば状態なので、焦げ付かないようによく混ぜながら中火で温め続けて水分を飛ばしていきます。下の写真は最初と最後の状態です。かかった時間は45分くらい。粘度が高い液体が沸騰すると、空気が抜けるときに表面が破裂して飛ぶことがあります。火傷に注意しましょう(水蒸気は通すけど中身は通さないように、僕は網やザルをかぶせています)。
モーゼが海を割るがごとく……通称「カレーロード」ができたら、トマト缶を投入。一気にしゃばしゃば状態(下写真右)に戻るので、さらに30分くらいかけて根気よく水分を飛ばします。玉ねぎもトマトも甘みがあって焦げやすいので、ひたすら混ぜます。
またカレーロード風になったらスパイスを入れます。スパイスを入れると水分が吸われて全体が固めになりますから、少しゆるい状態でスパイス投入して大丈夫です。
よく混ぜたら別の容器に移して粗熱を取り、1~2食分ずつに小分けにして冷凍保存します。ここでちょっとした小技です。保冷剤を平らに敷いた上に並べて凍らせると、平べったい形のまま凍ってくれます。あとでジッパー付き収納袋にまとめたときに形状・大きさが揃って収納しやすくなります。
粗熱を取る部分を考えなければ、準備を含めて2時間足らずでグレイビーが作れました。玉ねぎとショウガとニンニクの皮をむき、みじん切りにして、炒めて……と、5~6時間かかっていたところが、玉ねぎペーストやチューブのおかげで大幅に省力化・短時間化されました。生の食材を使うと切りかた次第で素材の食感が残せるのが魅力なんですが、暑くてやる気がないときにはこれでいいですね。決してチートではない!
(おまけ)今夜のカレー
むっちゃ安くなってた鶏肉と、夏野菜ズッキーニを使って、カレー煮込みを作りました。ズッキーニはキュウリに似てますが実質ナスなので、油多めで炒め揚げにするとかフライにするとかでうまいです。鶏肉を柔らかくする魔法のお粉「お肉やわらかの素」(amzn.to/3E1IS6i)で下味をつけておきました。鶏とズッキーニのカレー炒めのようなものを想像して作り始めたんですが、鶏肉を炒めている途中で魔法のお粉のせいで鍋にくっついてしまったので、そこで路線変更して水を入れて煮物にすることにしました。カレーグレイビーを入れてズッキーニの油炒めとあえて、完成です。
メインとサブの具材だけ選んで、水・牛乳・クリームなどを入れるか入れないか考えて、全体に火が通ったところでグレイビーを投入するだけでカレーっぽい何かが完成します。味噌汁を作る感覚。*1