死んでもずっと

仕事パソコンの内部時計って、けっこうずれるんです。NTPを使って合わせているはずなのに、前回合わせてから一週間もたたないうちに二分もずれてしまったりします。デジタルなのにすごくアナログな不正確さが気持ち悪いのです。変なパソコン。僕はテレビもビデオも携帯電話も、できるだけ時間をきっちりと合わせたいタイプです。時間がきっちりと合っている時計はなんだか気持ちがいいのです。

あたらしい時計を買いました、電波です、腕時計です、太陽電池です、防水です、アナログです。時間ずれません、電池交換いりません、いつまでも動き続けます。大事にすれば僕の死後もいつまでも動き続けます。だから「おじいちゃんが死んで、もう誰もネジを巻かないから止まってしまった時計」みたいな風情はありません。箱に入れて押し入れの奥にしまい込んだとしても、いつの日か押し入れから出してきて、光が当たると再び動き出し、勝手に時間を調整し直してしまいます。自分よりも長生きするかもしれないものを身に付けるのはなんだか不思議です。特に時計だからそう感じるのかもしれません。当たり前ですが、自分が死んだ後も世界の時間は進んでいくんですよ。

そういえばこの時計はほとんど僕の理想の時計に近いんですが、ひとつだけ「理想の時計」と違う点は連続秒針じゃないこと(腕時計で連続秒針のものは現在のところ作れないんだとか)。連続秒針ムーブメントというのは、秒針がピコッピコッと飛び飛びに動くものではなく、秒針がズモーーっと切れ目なく動くものです。連続秒針だと、今の一秒と次の一秒との間にも時間があるように感じられるんです。