サーストンとかギルフォードとか、そういう人々が作った「因子分析」という統計手法があるんですが、その中でもちょっと興味深い分析結果を紹介します。サーストンによる57種類の知能テストをもとにした分析では、人の能力というのは9つの因子に分かれるのだそうです。
- 言語的理解力
- 言語の流暢性
- 計算や数の処理
- 記憶
- 推理
- 空間把握
- 知覚の速さ
- 手や腕の器用さ
- 精神運動機能
一方ギルフォードによる実験では性格の因子が13に分類されました。
- 社会的外/内向性
- 思考的外/内向性
- 抑鬱性
- 気の変わりやすさ・情動安定性
- のんきで行き当たりばったりの傾向
- 積極性
- 社会的な指導力・統率力
- 男性的態度と興味
- 自信/劣等感の有無
- 神経質性/平静さ
- 客観性
- 同調性
- 協調性
どれもだいぶ前の実験結果からの分類ですし、文化的背景も違うので、自分の周囲の人間がこのパターンに当てはまるとは限りませんが、なかなか面白い研究成果です。エニアグラムなどの昔から伝わる性格分析法は、長年の経験の積み重ねによって人間の性格をいくつかに分類したものですが、分類はだいたい似たような感じです。どういう分類法を使うにしても「人を一元的に表現することはできない」ということは確かなようです。