最低限の身体能力

朝日新聞に「「最低限の身体能力」目標、指導要領で数値化も」という記事が載っていましたが、やっぱりこういうことには保護者からの文句も出てくるわけです(もちろん保護者からの要望もあったわけですが)。「うちの子供は体が弱く、達成できないような要件をつきつけられるとやる気をなくしてしまう」などと言うわけです。長距離走と器械運動以外の体育が嫌いだった自分にはその気持ちも分かります。ただ、そういう「最低限の身体能力」が求められ、それを身につけるために指導が受けられる場所は学校の外にはなかなかないんです。社会に出て人並みに仕事ができるように、計算や読み書きなどに関して最低限の能力を身につけるのが学校の役割だとするのであれば、生徒に仕事ができるように最低限の身体能力をつけさせるのも学校の役割でしょう。

生まれつき身体・知能が弱いという子供がいるので、100%の子供に対して一律の基準を課することには反対です。ただ、「日本の子供の95%くらいはこの程度の能力を身につけて欲しい」という基準を明確にすることは、僕は賛成です。知能的・身体的に健康な95%の人間が余裕を持って他の5%の人間を支えていけるような社会にすればいいんです。