ホワイトバンド

世界の貧困に苦しむ子供達を救おうという動きの中でも比較的新しいのがホワイトバンド・プロジェクトです。これに賛同しようと考えた自分に、「人口が多すぎるんだよ」と別の自分が声をかけました。地球上の耕地面積で60億人もの人口を支えようというのは無理があるんじゃないかと思ってしまうのです。新しく生まれてきた子供たちが飢えずに生き残れば、それだけ人口が増えます。人口が増えればそれだけ住居として使われる面積が増え、その人のために必要な食料や衣料やその他物資を作るための面積が増え、人間以外の生命が使うことのできる土地が減ります。医療や食料分配手段の発達によって、生き残る人間が増えて死ぬ人間が減り、人間の数がどんどん増えて、有限な地球資源をどんどん使っていき、最終的に地球は人間が住めない星になってしまうような気がしてなりません。もちろん生まれてくる子供に罪はないし、その子供を産む母親や父親にも罪はないし、苦しんでいる同胞を助けたい気持ちはとても良いことだと思うけれど・・・なんとも言えない矛盾を感じてしまいます。

自然界では弱い命は生き残れず、子孫が残せないのが大原則です。でも人間の世界では弱い命も生きる権利が与えられるようになりました。その弱い命も次世代に弱い遺伝子を伝えていきます。僕は強い近視なので、自然界にいたらおそらく生き残れません。眼鏡のおかげ、そして人間界にいることで僕は生き延びているのです。そして僕にも自分の遺伝子を後世に残せるチャンスがあります。人為的な遺伝子選択をするような優生学の考え方には反対ですが、自然界では当たり前に死んでゆくはずの命を救えてしまうことによって、種全体が滅んでいくのではないかと思えてしまうのです。

救える命は救いたい、でもその責任は取れるのでしょうか・・・そう考えると、献血もできなくなっちゃうなぁ。