革新的技術とニッチ

第2のグーグルは登場するかという記事を読みました。Googleが出てくる前は「検索だったらYahoo!しかないでしょ」という状態だったのを覚えている人はどれだけいるでしょうか。Yahoo!に登録されていないサイトはこの世に存在しないのと同じ、というような雰囲気さえ漂っていました。それが現在は、Googleの検索トップページに出てこないサイトは存在しないのと同じ、という状況になっています。記事では「Googleを超える検索サイトの登場はあるのだろうか」というテーマでいろいろ考えていますが、その中でも

断絶を生み出すような革新的技術の開発を除くと、検索市場で足掛かりを得るのに最適な方法は「ニッチ」を考えることになるようだ。

という点が、全体を端的に表しているような気がします。スタンフォードの学生二人が10年間でGoogleをオンライン最大の企業にしてしまいました。コンピュータ市場は、ソフトウェア業界のMicrosoft、ハードウェア業界のDell、そしてオンラインのGoogleというように、完全に主導権を握られた状態のように見えます。たしかに検索も地図もAJAXGoogleが勝ちっぽいですが、それでもデータベースやOSはまったく手つかずですよね。

ネット検索というニッチでYahoo!の牙城を奪い、そこから成長して大企業になったGoogleですが、GoogleがGoogleらしさを失っているのでは、という声もありますし、そのGoogleが見逃しているようなニッチを足がかりに、他の大企業がまた出てくるかもしれませんよ。たとえば、過去の遺産だと思われているエキスパート・システムやニューラル・ネットワークをはじめとした人工知能あたり、いかがでしょう? 日本がプッシュしているロボットというハードウェアに載せるソフトウェアがまだまだ不十分だと思いませんか?