タテマエとホンネ

こっちの人にタテマエとホンネの違いを説明しようとしましたが、玉砕しました。indirectとdirectのことだと理解してしまったようです。directにタテマエを言うこともできますし、indirectなホンネはしょっちゅうです。辞書で調べましたが、ホンネはbottom lineやreal intentionなんかとも違います。近いのはshow one's true colorsかもしれませんが、それもちょっと違う気がします。

僕の個人的な理解や感覚なんですが、教養のあるアメリカ白人は、人前では(たとえ家族や親友の前でも)自分が人種差別をした(する)ことを認めません。もし黒人がいじめられているところを見て見ぬふりをしたとしても「見ていたら放ってはおかない。その時は目に入らなかったんだ。」と言うと思います。白人がいじめられているところを見て見ぬふりした白人は「恐ろしくて仲裁には入れなかった」と言うでしょう(ちゃんと「見た」と言うということです)。おそらくホンネは両方とも「怖かったから逃げた」なんですが、人種問題などでは「見た」という事実すら自ら記憶から消してしまうくらいに強いタテマエが存在します。タテマエがあるということすら気づいていないのかもしれません。

・・・というよりも、タテマエに相当する言葉がないということは、タテマエという概念が存在しないのでしょう。「うらやましい」「もったいない」などに相当する英語がないのと同じです。