座右の銘

会社には社訓、家には家訓。つまりモットー=座右の銘というのがあります。僕の座右の銘は「光陰如矢」だというのは知っている人も多いかもしれません。ハンドル名「JikanBae(時間蠅)」というのも、「光陰矢の如し」→「Time flies like an arrow.」→「時間の蠅は矢が好きだ」というところから取り、本名・淳史の「史」に込められたであろう「過去から学びなさいね」というのを含めつつ新字体の「蝿」ではなく旧字体の「蠅」を使っています。

そんな座右の銘ですが、他にも「哲学」「目指すところ」「方針」「目標」とかそういう言葉で表される者もいくつか持っています。まずは「effectiveness over efficiency(効率より効果)」です。音響心理学を研究しているからでしょうか、たとえばある処理の絶対時間を短縮する事よりも、その体感時間を短縮できる方がうれしいですし、意味があるように思っています。テレビ番組の出演者が休憩しているあいだ、真っ黒な画面が放送されているだけより、どこかの会社の宣伝が流れている方が体感時間は短いはずです。

似た事なんですが、「胸を張れる仕事」より「満足してもらえる仕事」に重点をおきたいと思っています。胸を張れる仕事は、もしかしたら他人には「自己満足で終わってるよね」という仕事なのかもしれません。それよりも、自分が満足できなくても、仕事の依頼者に喜んでもらえる仕事の方がいいような気がするのです。僕は芸術家ではなく科学者であり技術者です。自己表現のために仕事をしているのではなく、他人との関係の中で仕事をしています。自分が満足できるまでトコトンやっても他人からの評価はそれほど高くなかったりするので、仕事を完璧にこなしてドーンと一気に提出するより、逐次報告して相手を安心させつつ、相手が期待したものをちょこっと超えたくらいでやめておくのが良いような気がします。それで浮いた時間は自分のために使います。

また、「できる・できない」「やる・やらない」をハッキリさせたい、というのもあります。「できない」のであれば「できない」と言い、それを「やらない」と言い換えてごまかしたりしたくありません。また、「できる」ことであれば「やる」という気持ちも持ちたいと思っています。仕事がどれだけ入ってきてどれだけ忙しくなろうが、「できる」ときには「やる」つもりでいます。「できるんならやれ」「できないんなら謝れ(そしてできるようになれ)」ということです。

・・・でも、実はそんなことを肩肘張ってあらかじめ決めておかなくても、自分のやりたいように自由に進んだ結果うまく行っちゃったんだよね、というのが本当は理想なのです。自然体でいたいけど、それを実践するには時間が足りない、というのが「光陰矢の如し」を座右の銘にした理由なのかも。