漢字の有効性

漢字を使うと新しい単語もなんとなく意味が通じたりします。たとえば「カー」と言われるより「自動車」と言われた方が「あぁ、自分自身で動く車だな」と分かりやすかったりするのです。似たような事例を探してみると、カバンというものもありました。カバンはもともとオランダ語やスペイン語の「カバス」あるいは中国語の「きゃはん」が語源だと言われています。それに「革で包む」という意味の「鞄」という漢字を作ったのは明治時代の商店主だったとか。でも、漢字を見れば「この道具を使えば革で持ち物を包んで持ち運ぶことができる」と分かりやすかったことでしょう。

他にも、僕の専門分野には「情報」という単語があります。「情勢を報せる」から森鴎外が作った言葉だろう、というのがまことしかやに言われているんですが、神戸大学の小野先生によるとどうもそうではないらしいのです。まぁいろいろ言ってても、結局「鴎外以前に情報という言葉は使われていた」「情報より状報のほうがいいのでは」みたいなことを言っているかんじです。どちらにせよ、漢字を見ただけで意味は通じますよね。

親指シフトの親と言われる神田泰典さんのページでも漢字を見ただけで意味が通じるんだから漢字教育しっかりせいよという部分があります。個人的な経験でも、台湾人や中国人だけじゃなく韓国人やベトナム人とも漢字でなんとかやりとりできたので、やぱり漢字ってすごいというのが分かっています(例えば韓国語で「学」を「ハク」と読むのを知っていたら「学生(ハクセン)」も「学校(ハクキョ)」も推理できます)。漢字を知らないよりは知っていた方が便利。習うのには苦労したけれど、漢字ってすごいんです。