レコーディング・エンジニアの仕事

レコーディング・エンジニアは演奏者、指揮者、コンサート・ホールなどの条件をふまえた上で最高の録音をする仕事です。最高の仕事といっても、結局は人間の耳・・・たったふたつの耳のためにいろいろと考えて録音をするわけです。演奏者のちょっとした気まぐれや、指揮者の解釈や、コンサート・ホールの空調や、そういったことで録音内容は変わってきます。レコーディング・エンジニアはそういった細かいことに気づくよう、細かいことを指摘するような教育を受けています。

ただ、レコーディング・エンジニアは、演奏者や指揮者のミスを敏感に知覚し、コンサート・ホールの残響音を敏感に聞き分けます。それを録音し、そして、おそらく満足できずに次の録音に向かいます。そういった「違いを認識できるようになるための」教育をするのが将来の僕を含めた教員の役割です。教員は生徒の感性を養うことはできません。学生にはぜひ(良い録音悪い録音は関係なく)たくさんの録音を聞いてほしいと願っています。

僕はよりハードやソフトに近い技術的な部分からサポートする役目ですが、やっぱり僕も多くの録音をきかないとね。Pink Floidの「驚異」のDVDと、Porcupine Treeの「デッドウィング」のCDが月曜日にも届きそうです。特に「驚異」のミックスがどうなっているかが楽しみ。