インパルス応答測定

授業の中で、吸音パネルがどのくらい吸音するのか測定してみました。

とは言っても、吸音素材の厳密な測定はかなりの難問なので、「音がどのくらい透過するか」ということを中心に計りました。測定に使った信号はPink TSPです。TSP信号の時間引き延ばしを線形から対数スケールに変えたもので、低い周波数帯域における解像度の高さが魅力です。個人的にはFarinaのSwept-Sineのほうが(必要な周波数範囲を指定できたり関連文献が多かったりして)好みなのですが、TSPのほうが日本語の文献が探しやすいので、教育目的にはいいかなぁ、という選択でした。

吸音板の厚み相当の波長までは周波数線形に減衰があり、それよりも短い波長では減衰率は定数だという結果が出ました。文系の学生が多いので、どれだけの人数が理解できたかは心配なところがありますが、日頃何気なく使っているものの科学的な背景を「探る方法」があるということを知ってもらえばいいな、と。