サウンド・クリエイターのための電気実用講座

去年のことだったか、学生に勧められて大塚明著『サウンド・クリエイターのための電気実用講座』を買いました。読む暇がなくてずっと放ってあったんですが、もうそろそろ後期も始まるので、ネタひろいのためにも読んでみました。

音がトランスデューサーによってどのように電気信号に変換されるか、電圧とは何か、インピーダンスとは、・・・などなどが直感的に分かりやすく説明されています。わかりやすさを最優先しているので、ところどころ「そう言い切ってしまって大丈夫?」と思う部分はありますが、電気の理論を数式ではなくイメージでざっくりと理解したい人にはかなりオススメです。この本でまずは電気の全体像をつかみ、必要だったら細かい部分を他の書籍で勉強していけばいいのです。あくまでも「音楽のための電気」なので、その目的地にたどり着ければいいだけの大まかな地図のような本。目的以外の地点や裏道は書いてありません。

一通り読めば、とりあえず自分でアンプを作ったりできるようになります。駆け出しのサウンド・エンジニアには必要十分な電気の知識が詰め込まれています。難点は値段。価格が3分の2くらいになってくれればパーフェクトなのに。