東京事変のファーストアルバム『教育』の第1曲目にクラビネットが入っている『林檎の唄』があります。右方向から音が出ていますが、ヒイズミマサユ機がどんな演奏をしているのか詳しく聞きたかったので、クラビネットを強調するプログラムを書きました。
[x,fs,nbits]= wavread('ringo_no_uta.wav'); [u,s,v] = svd(x, 'econ'); angle = -11 * pi / 180; y = u*v; z = ([cos(angle) -sin(angle) ; sin(angle) cos(angle)] * y')'; out = z(:,1) / max(abs(z(:,1))) * 0.9; wavwrite(out, fs, nbits, 'ringo_clav.wav');
クラビは左右チャンネルに特定の割合でミックスしてあるので、左右配分がどうなっているかをうまく見つけてやれば、その方向からの音を中心に抜き出すことができます。2チャンネルの音を「2次元空間の点の集合」としてとらえることで、回転行列を使ってアフィン変換できます。2次元グラフィックスと行列、勉強しておいて良かった。
パンニング(左右チャンネルの音圧差)だけで配置された楽器であれば、上記プログラム中の「-11」を「-45〜+45」の範囲で動かすことで強調することができます。*1
いまのところクラビを強調するくらいしかできません。もっと高度な技を使えばクラビだけを抜き出してくることもできるのでしょうが、遊びなので、こんなもんで。
*1:たとえば「能動的三分間」なら-40くらいでエレピが強調されます