会社は誰のもの?

ソニーVAIOの新シリーズの計画を発表しました。その中でVAIO開発の総責任者みたいな人が「この製品群にはこれまで以上の付加価値が付いている。ソニーの収益にも十分に貢献する製品だ。」ということを言っていました。新製品発表のときに発せられたこの言葉は、誰にむけられた言葉なんでしょう? まず、消費者に対する言葉じゃありません。ソニーからいい製品が出てくれれば、ソニーの収益は消費者には関係ないんですね。「収益に貢献」というくだりは、おそらくソニーの株主に向けた言葉なんだろうと思います。

で、ふと考えました。VAIOは株主のために作ったものなのか、と。どの株式会社にしたってそうなんですが、会社の運転資金を出しているのは株主です。その資金を使って製品を作ったりサービスを提供するのは経営者や社員です。製品やサービスを受け取り、それに対するフィードバックをするのが消費者。三者のうちどれが欠けても会社としては成立しなくなってしまいます。さて、会社は誰のものなんでしょうね? 創設者だけのものじゃないことは、会社が資金を借り入れたりしていることで明らかです。消費者や株主は直接会社を運転するわけではないので、会社は消費者や株主のものでもありません。たとえ経営者だって、自分のボーナスをやたらと上げたり気に入らない部下をいきなりクビにしたりはできません(経営者が我利我利に利己的になってもいいんですが、そうすると会社の存続が危なくなり、しまいには経営者が損をします)。

ほんとに会社は誰のものなんでしょう? 日本には「企業や団体を法の下で個人と同じようにあつかう」という意味で「法人」という言葉がありますが、その法人がまるで自らの意志を持ったように動いていってしまうんですかね? 不思議なものです。