教習所

教習所で生徒たちは、ベテラン・ドライバーが瞬時に判断して行う運転技術を数ヶ月かかって学びます。初めての経験なので、ルールも分からないし、意識に体も付いてこない。お金を払って、教則本を読んで、実際に車に乗って練習して。そういうのを数ヶ月かかって未熟ながらもある程度一人で運転できるようにするんですね。

博士課程はそういう意味で教習所に似ています。一人前と呼ぶには心もとないかもしれないけれども、なんとか一人で研究できるような人間を数年間かけて育てるんですね。ベテランの研究者だったらひと月かふた月でさっさと結果を出せるのに、未経験者なので、同じような成果を出すのにも数年かかっちゃう。高速道路教習のような国際学会発表もありますし。

僕は博士課程は二度目ですが、なんだか他の人より下手で追加料金を支払いながら教習を受けている人のような気分です。よく言えば、自動二輪の教習も受けているとか、二種免許取得のための自主練習とか。それにしても、はやく教官のように安定した運転ができるようになりたいなぁ。