AES118四日目

やっぱり朝になってもお湯が出なかったので、我慢して水風呂。セッション当日なのに風邪ひいたらどうするんですか。そして会場まで地下鉄で移動。自分の発表があるセッションに参加。競合する別セッションに面白いものが多いらしく、発表者に応じて参加者の出入りが激しいのです。別室でもっと僕も見たかった面白そうな発表をやっていたのもあって、僕の発表の時には参加者は少なく、なんだか寂しい感じ。研究のメインストリームではない音響の分野でも、かなりメインからはずれている楽器用非線形歪みなんて発表だからなんでしょう。

そういえば二日前に行われたNHKのハマサキさんの発表では立ち見が出る満席で、質問の数もものすごかったのです。ハマサキさんの英語は日本語なまりがひどくて聞き取りにくいのに、みんな真剣になって聞くのです。英語が下手だったり人種が白人じゃなくても、すごいことをやってる人の話はみんながんばって聞くのです。あぁいう人にならなくちゃ。

午後のセッションはLinuxについてのチュートリアルを選択。「道具なんて今のまま使えればいい」という人々ではなく、「これから自分たちが使う道具を選ぶんだ」という雰囲気の若者っぽい顔つきの人が多かったかな。「プリエンプティブ・マルチタスクができるパッチを当てればLinuxでロード100%近くなっていても、3ms以下のレイテンシーも簡単にいけるぜ」みたいな説明だったのに、デモの音にプチプチとしたクリック音が混ざっているのは興ざめです。コンピュータをずっとやっていた僕にとっては、内容もちょっと簡単すぎたかな。

学会で会った日本語を話すドイツ人(母親が日本人だそうです)のヨハンと一緒に夕飯。Barceloneta通りから海側にちょっと行ったところにあるバルで深夜近くまでタパスとビールで話をしていました。来年4月からNHKで働くのだそうです。まだ研究をするか制作をしたいのかで迷っているそうな。写真は二人で呑んでいるときに突如として現れた大道芸人。バイオリンのボウの持ち方が変だけど、なぜかうまい。学生オーケストラの一員として世界公演をこなすバイオリン弾きのヨハンも「この人、上手ですね」とほめていました。そういえばヨハンは会津大学にいたイエンツ・ヘルダー先生(現在はデュッセルドルフ)を知っているそうな。世界は狭い。