株価を見てみる

また続き。株価を持ってくるプログラムを書いて、具体的にどんなことがしたかったのか。とりあえず主要な自動車メーカーに加えてヤマハ発動機を入れた会社、すなわち、日産、いすゞトヨタ、三菱、マツダダイハツ、ホンダ、スズキ、ヤマハ(銘柄コード昇順)の週ごとの終値をバブルがはじけたのを目安に1990年はじめから先週末までの株価を持ってきました。その終値のデータを列ベクトルにすえて相関係数を計算すると以下の通り。

 日産      いすゞ    トヨタ    三菱      マツダ    ダイハツ  ホンダ    スズキ    ヤマハ

1.0000

0.1957 1.0000

0.1356 -0.4219 1.0000

-0.1034 0.7918 -0.6689 1.0000

0.0881 0.8378 -0.4331 0.6568 1.0000

0.4054 0.3456 0.5296 -0.0721 0.2255 1.0000

0.1794 -0.6071 0.8751 -0.8117 -0.5195 0.3318 1.0000

0.3436 -0.4004 0.7912 -0.6050 -0.3789 0.3925 0.8275 1.0000

0.7055 0.0704 0.4411 -0.3363 0.0309 0.6388 0.4603 0.6006 1.0000

この中で目立って相関係数が高いのは7行3列のホンダ-トヨタと5行2列のマツダ-いすゞです。どちらも相関係数が0.8以上と、「一方が上がればもう一方も上がる」という関係を示唆しています。同様にいすゞ-三菱やトヨタ-スズキも0.8近くありますね。バブル以後に上昇してきたホンダ・トヨタ・スズキに対して、バブルが絶頂でそこから下降したいすゞ・三菱・マツダ、いったんは落ちたものの最近回復している日産・ヤマハという類似点があるのです。そして逆相関は7行4列のホンダ-三菱です。これは「一方が上がればもう一方は下がる」関係。反対に相関係数が低いのは5行1列(マツダ-日産)、6行4列(ダイハツ-三菱)、9行2列(ヤマハ-いすゞ)、9行5列(ヤマハ-マツダ)あたり。このような関係の低い株を複数持っていれば、お互いに影響されることがなくて安全かもしれません。

この相関係数行列を多次元尺度法で図を描いてみると(上記社名に対応してNITMZDHSYを使いました。I(いすゞ)とZ(マツダ)は重なってます)・・・何がなにやら分かりませんが、次元1は「負け度」を示しているようなきがします。次元2が何を表しているのかが分かりません。株価の変動が直線的か曲線的かというようなかんじかもしれません(次元2で下に行くほど曲線的)。

こんどは、各列行列をN(50,10)に基準化して偏差値を出してみました。

 日産      いすゞ    トヨタ    三菱      マツダ    ダイハツ  ホンダ    スズキ    ヤマハ

67.1 49.3 67.2 35.8 50.0 75.7 66.8 69.7 88.5

列行列は時間軸だったので、過去15年間の平均終値を偏差値50とし、現在はどのくらいの成績なのかを見たものです。ヤマハ発動機が偏差値90にせまっていますが、これはヤマハ発動機の株が2003年あたまぐらいからぐんぐん伸びて過去15年間の中で最高値を記録しているのをうけたものです。つづいてトヨタ、日産、が偏差値60以上の優等生です。三菱といすゞは1997年から99年にかけて急落しましたが、不祥事騒ぎのあった三菱と違っていすゞは2003年あたりから回復傾向です。この偏差値は他のメーカーと比較したものではなく、各社の過去の業績と比較したときの偏差値ですので、そこを間違えないでください。多くのメーカーで偏差値が高いのは、バブルで落ち込んだ株価が回復してきたというだけなのです。

・・・と、データを簡単に手に入れられるようになったので、こんなかんじの分析がいくらでもできるようになりました。今日はおなかが空いたのでここでおしまい。続きはまた今度。