MDR-NC11A

学会なんかで飛行機や電車を使って移動するときに、耳を守るのと音楽を静かに聴きたいのとで、ノイズ・キャンセリング機能のついたヘッドホンが欲しかったのです。で、ソニーのMDR-NC11Aを買ってみました。本当はネックバンド・モデルのものがよかったのですが、機内だとヘッドレストとネックバンドが干渉してしまうのです。

まず電源をオンにすると同時にホワイトノイズが聞こえてきます。また、音楽の音量がホワイトノイズの音量と同程度上がります。これは音楽に対するノイズフロアを変化させないためと、ちょっとだけ音量を大きくすることによって外から入ってくる騒音を相対的に低下させる目的だと思います。外部音は63〜2000Hz程度(もうすこし狭いかも。100〜1500Hzくらいかな)の音量が10dB程度下がりますが、それ以外の音域はタッチされないので、外からの音はドンシャリになります。また、反応速度が遅いのか、定常音しかキャンセルされません。風切り音は増幅されてしまうようです。

電車や飛行機の中で使ってみましたが、エンジンのうなり音のうち低域部分はだいぶ遮断された印象です。長時間の装用でも気分が悪くなったりはしませんが、インナーホンの欠点である、耳道が蒸れることはやはりどうすることもできません。これは密閉型ヘッドホン全般の悩みです。

また、ボリューム・ノブの可変抵抗が可変コンデンサ風な役割も果たしてしまうようで、ノブの位置によって音量だけでなく音質も変化します。音量最大時には高音域もしっかり出ますが、音量をちょっと下げるとすぐにローパスフィルタがかかったような音になってしまいます。同様に定位がやや右に移動してしまいます。この部分は部品が安いんでしょうね。

普段使いするのには遮音性能も悪いし、iPod付属のインナーホンの方がよほどいいという結論。これよりもだいぶ値が張りますが、アクティブ・ノイズ・キャンセレーションじゃない遮音型インナーホンでも良いような気がします。でもコンパクトなので旅行や出張には良いかも。確かに静かにはなるし。