Impact Factor

論文の質を数量化するための一つの手法として、Impact Factorというものがあります。ISIという会社が開発した手法でISI Web of Knowledgeで調べられます。Impact Factorは直近2年間の論文が参照された回数と直近2年間の論文発表数の比になっています。論文が参照されればされるほどImpact Factorは高くなります。過去2年間のあいだに発表した論文数よりも参照された数の方が大きければ、Impact Factorは1よりも大きくなります。

このImpact Factorは研究者に影響を与えた最近の論文や学会誌を探すときにはとても便利ですが、直近2年間のデータしか計算に入らないことにより、ロングセラー的な論文の数値は低くなりがちです。もちろん、より長い期間のデータを考慮する計算手法もありますが、直近2年間のものが必要以上に使われているような気がします。たとえば音響学の世界での「参照数の半減期」はだいたい8〜10年くらいなので、それを目安にした手法をより活用した方が良いんじゃないかと思いますが・・・。

ちなみに音響関連の学会誌の2004年度のImpact Factorは、

Journal of Acoustical Society of America: 1.482

Journal of Audio Engineering Society: 0.720

Acta Acustica United With Acustica: 0.365

のようなかんじです。2.0以上をマークする学会誌には超音波系の論文誌が名を連ねているのですが、音楽音響の分野ではJASAがトップです。