音響業界における世界的パラダイムシフト・前編

BlesserとPilkingtonが2000年に書いた「音響業界における世界的パラダイムシフト」という文章を読みました。話は音響業界を中心に据えてはいるものの、それだけにはとどまらない業界の移り変わりを考察した文章でした。ひとつの技術は研究者のあいだで産声をあげ、一部の人々だけに受け入れられる幼児期を経て、成功すれば大衆に使われる青年期を迎え、そして老人になり死に至る、というのをまずは解説するんですが、そのなかで出てきたのは「ひとつの技術から次の技術への転身を成功させた企業は少ない」「大衆は音質にはこだわらない」という二点.LP時代の企業のほとんどはCDへの転換の波に乗ることができず、消えていったといいます。また、インターネット・オーディオの時代にもCDを中心にしてきた企業は乗ることができないだろうと著者は予想しています。現在主流になっている技術の生産(に加えてコストダウンのための研究)をしつづけながら、新たな技術の研究開発と設備投資をするのは非常に難しいからだとのこと。ほかにもいろいろ書いてありましたが、ここまでが前編のお話。気が向いたら後編に関しても書きます。