電子音で育つ

帰国の飛行機で僕の前に夫婦が座っていました。中央のスクリーンに一番近い座席で、ベビーベッドが取り付けられるようになっている座席です。そこに生まれて間もない赤ん坊が寝かされていました。おとなしい子で、あまり泣きません。でもたまに泣き始めることもあって、そういうときに父親はベッドに入れたぬいぐるみのようなものに内蔵された音源から鳥のさえずり声などを再生させて子供をあやしていました。

その音、5ビットADPCMのような音質で、再生周波数も4kHz以下。とてもチープな音でした。この子は本物の鳥のさえずりではなく、デジタル化された(しかも低音質な)鳥のさえずりで育つのかなと思って、ちょっと心配になってしまいました。