ハングル文字が韓国語以外で利用される

ハングル文字は表音文字としてはかなり合理的で分かりやすいと思います。学習しやすく、例外規則も少ないですし、汎用性も高い気がします。そのハングル文字を、朝鮮民族以外の民族が公式に導入することになったとのこと(インドネシアにハングルを使う島が誕生)。これまで文字がなかったチアチア語の表記にハングル語を使うのだそうです。

英語で困るのは「right」や「photograph」のような、表記と発音が一致しない単語。「りぐふと」「ぷほとぐらぷふ」じゃなくて「らいと」「ふぉとぐらふ」だというのに最初は違和感がありました。日本語でも「王様(おうさま)」を「おーさま」と発音するところに、違和感を感じたことがありますが、英語と比べるとそういった例外的なものはとても少ないと思います。ただ、日本語の場合は「か」「さ」「た」と、どれも「あ」の音に近いのに文字の形が違うのがシステマチックではありません。ハングル文字は「子音+母音」の組み合わせでできているので、「ト」のような形のものが右側についていたら「あ」の発音だ、ということが分かります。文字の意味が分からなくても発音だけはできますし、読み書きを学習する負担が劇的に軽減されます。

とは言っても「日本語をローマ字表記だけにしてしまえ」というような思想はあまり好きじゃありません。漢字の存在は情報圧縮(そして情報の理解速度)にも一役買っていますし、漢字が使えないと不便でしょうがないと思います。韓国でもハングル文字だけを使っていましたが、漢字への回帰が起こっているといいます。漢字が書けないときにはひらがなで書いても伝わりますし、漢字が書ければより正確かつ短時間で意味が伝えられます。表意文字表音文字の組み合わせ、という中途半端さが日本語の便利さにつながっているのだと思います。