ケムンパスとかハナモゲラとか

独立行政法人理化学研究所、通称「リケン」なんですが、そこの脳科学総合研究センターから新規蛍光タンパク質を使った書き換え可能な光メモリー技術の開発に成功という研究成果が発表されていたのを見つけました。もともとは独立成分分析とかをやっている甘利俊一先生のページを探しにいっただけなんですが、ついでにそのページを見つけてしまったんです。

なにがすごいって、まずはその蛍光タンパク質の名前が「ドロンパ」だということ。世界的に「ドロンパ」を発表しちゃったのがすごい。いや、蛍光タンパク質じたいもすごいんですよ。ウミバラ科のサンゴから発見したタンパク質を遺伝子改造して、電気のオン/オフに反応して光るタンパク質を作ってしまったのがすごいし、それを記憶媒体として使える技術を開発したのもすごい。

でも、それをドロンパと名付けたのがすごい。世界的論文誌の「ネイチャー」に「緑色蛍光の消失、出現を、それぞれ、“Dron(忍者用語で姿を晦ますこと)”、“pa(光活性化、photo-activationに由来)”になぞらえ、このタンパク質を「Dronpa(ドロンパ)」と命名しました。」という命名理由が載っちゃったんですよ。「忍者用語」という、今まであまり日の目を見なかった業界用語が科学界に突如として飛び出しました。こうなるとライバル研究者達も負けてはいられません。いずれケムンパスとかハナモゲラとかバカボンとか、そういう名前のクローンタンパク質も発表されるに違いないのです。