良いこと続き注意報

最近、良いことが続いているので、いっちょここらで気を引き締めておかないといけません。こういうふうに良い状態の時にはどこか油断が出て、それが後になって響いてきたりするのです。

・・・なーんて思っていたら、「この手法を音響で使ってる人はまだいないみたい」ということで取り組んでいた研究に、先行者がいたことを発見。似たような手法が2003年に2→5チャンネル・アップミックス・アルゴリズムの一部として発表されてました。僕はその手法をダウンミックスに使おうと思っていたのですが、その論文の中で「中央チャンネルの合成は左右チャンネルからのダウンミックスと考えることができる」と書かれてしまっているので、完全にネタがかぶっています。ダウンミックス&アップミックスの分野にはDolby、QSound、SRSなどの企業も参入して研究が進められているので競争が激しくはあるのですが、ほとんど同じ手法が使われちゃってるとは。

こんなときには深追いせずに「プランB」の採用です。同じく多チャンネル・オーディオ信号に同様の処理をするんですが、ダウンミックスをするのではなく、その手法でマルチチャンネル・コンプレッサーの音質改善をしようというもの。ギター・ディストーション研究がかなり難しかったので、コンプレッサーのような非線形歪みに関する研究は上記のダウンミックス研究の後で改めて取り組もうと思っていたんです。

“今はできないけどいつかやりたい研究”を思いついたときにはすぐにネタ帳に書き込んでいるので、これがダメならあれがある、と方向転換できるのです。じっくり腰を据えて一つの問題に取り組むのも大切ですが、バックアップを用意しておくのも大切。