嗚呼 信号処理

ピンクノイズをフェードインさせると、低音から先に音が入ってきて、だんだんと高音に向かって抜けていくようなかんじになります。そもそもピンクノイズはオクターブごとに-3dBの減衰があるので、低音のほうがレベルが高くなっています。フェードインさせると、低音のほうが高音よりもレベルが高いので、先にノイズフロアを突き抜けて音が出るんですね。

それがいま取り組んでいる“ダブル低音プロジェクト”の音刺激を作るのには邪魔なのです。ピンクノイズにバンドパス・フィルタをかけて、ちょちょいと処理してから再合成すると、ピッチがかったように聞こえてしまうのです。それを解決するために、周波数帯ごとに違ったフェードイン・タイムを使って処理する、という方法を編み出しました。「ちょちょい処理」前の音を聞くと、ノイズフロアを突き抜けるまではホワイトノイズ風に聞こえ、モーフィングのようにだんだんとピンクノイズ風な音に変化する感じ。

でも「ちょちょい処理」後の音に入っていたピッチは違った音に変化しただけでした。あぁ、信号処理って楽しいけど苦しい・・・。これはmano君の言っていた「プログラマは小さな愉悦を日々感じることで続けていられる」的な楽しさ。