自分のできる範囲で

自分のできる範囲でイラクのために働こうとして国外退去勧告の出ていたイラクに行って、誘拐されて、自衛隊を退去させろなんていう要求をつきつけられて、日本は大変な週末でした。

自分のできる範囲で何かをやろうとするのは素晴らしいことなんだけれども、それは大局を考えながらやらないといけないことなのです。たとえばダムを造るのだって人間の安全な暮らしにとっては大切かもしれないけれど、それよりも大きい視点で見れば地球環境を大きく改悪させることになるのですね。同じように、捕まってしまった三人に関しても、民間人が行動しにくい場所だからこそ訓練をしっかり受けた自衛隊が派遣されているんだ、ということを考えてもらいたかったのです。ただ単に自分ができることを考えるのではなく、全体の中で自分がどういう役割なのかを考えたほうがいいんです。日本で待っている家族たちも「自衛隊を一時退去させて欲しい、姉を息子を無事に返して欲しい」って自分たちのことだけ考えるんじゃなくて、「うちの家族が迷惑をおかけしました」っていう一言が欲しかったし。

・・・でも他人事だからそういうことが言えるんでしょうね。もし僕のきょうだいがさらわれてしまったら同じように錯乱して涙ながらに「自衛隊を退去させてください」と懇願するんでしょう。やれやれ。

あ、全体を考えた方がうまく行く、というのはTOCでも実証済みですね。そういえば。