アリスソフト

僕は物音に敏感で、メインドアに人の出入りがあったりするとその音で目が覚めてしまうのです。トイレのドアの開け閉めで目が覚めることもあります。つまり誰かが夜遊びして帰ってきたりトイレに降りてくると、夜中に起こされてしまうわけです。

先週の火曜日からルームメイトのところに彼女が遊びに来ています。明るく元気なメキシコ人カップルなんですが、その二人が今夜は12時すぎに帰ってきました。もちろんドアの音で起きました。彼女の方が寝る前にシャワーを浴びていたようなのですが、シャワールームの方から泣き声が聞こえてきました。聞きたくなくても壁が薄いので、そういうのも聞こえてしまうのですね。で、彼氏のほうもそれを聞きつけてシャワールームの外から「大丈夫?」と声をかけたのです(スペイン語で話しているのでよく分かりませんが)。泣きながらも「なんでもない、大丈夫」という答え(おそらく)が返ってきました。

この瞬間に僕の頭の中には3つの選択肢が・・・

 (1)ドアを開けて彼女を抱き寄せ慰める

 (2)そう?ならいいんだ、と部屋に戻る

 (3)わはははは!と笑って扉を蹴破る

他人事なこういうシチュエーションでは、自分はアドベンチャー・ゲームのように考えているのだなぁ、と思ったのでした。つまり、自分の中でいくつか選択肢を用意して、数手先まで読んだのちに最高点を与えそうなものを選択をする・・・ゲームの思考ルーチンに使われるミニマックス法みたいなものです。

今回の出来事であれば、僕の中では「なぜ彼女は泣いているのでしょうか?」「先週火曜日に来たのでちょうど明日で一週間だ。おそらく明日になると帰らないといけないのだろう。離ればなれになるのがつらくて泣いているのだ。」という国語の読解問題のような原因説明が思い浮かび、正しい選択の後に訪れる映画的な「シャワーに打たれて抱き合う二人」が想像されたのです。あの二人だったら絵になるし。そんなわけで僕の中の選択は(1)ということで完了。ゲーム的には(1)がグッド・エンディングへの選択肢で、(2)はイベント回避の選択肢。そして(3)は『ランス』以外では即バッド・エンディングになる選択肢です。

でも、プレイヤーである彼氏には(2)を選ばれてしまったのでその後も30分は彼女の嗚咽が止まらず、僕はなかなか寝付けませんでしたとさ。そこは(1)だろ〜。