Cマガジンが休刊した今となっては、LSI C-86を知っている人は限られているのではないかと思います。僕はCマガジン創刊の頃から休刊のころまでをオタッキーなパソコン少年として過ごしましたが、当時中学生〜高校生だった僕にとっての大きな問題は「小遣いのやりくり」でした。Turbo-Cがアカデミック版で登場したりもしましたが、それでもプログラミング言語のコンパイラは高価なもので、おいそれと買えるものではありませんでした。そんな中、スモールモデル(扱えるメモリ領域が64KBに限られている)のみをターゲットにできる限定版ではあるものの、LSI C-86 Ver. 3.30c試食版がCマガジンの付録ディスクに収録され、僕だけでなく多くの初心者たちがC言語を勉強したのでした。
そのLSI Cは今どうなっているのかと思ったら、当時からLSIが注力していた組み込み分野をターゲットに、いまだに開発が続けられているのでした。最新版はWindows Vistaでも動作が確認されており、その道ではあるていど使われているようです。
思いがけず旧友に再会したような、温かい気持ちになりました。