ニッポンジン カクアルベシ
「月下の棋士」第19巻の巻末に戦前戦後に活躍した升田幸三のエピソードが載っていました。チェスと違って他国の兵士を自国のを盾として使う日本将棋は捕虜虐待の象徴であるというGHQの尋問に対して「敵の兵士とはいえ殺さずに適材適所で使う将棋こそ正しい思想ではないか、チェスこそ女(クイーン)を盾にして王が逃げ回っている」と反論したということでした。その升田幸三は戦後の人気アンケートでも、ヘルシンキ・オリンピックで活躍した古橋選手に続いて二位だったとか。その升田幸三は「将棋とはかくあるべし」という指し口で、一般への受けが良かったのだそうです。それが復興にむけてがんばっていた当時の日本の気運とマッチしていたのだとか。
さて、これを読んで「日本人かくあるべし」というのはどういうことなのだろうかと考え込んでしまいました。「親や師匠を大切にする」という儒教的な考え方か、諸行無常が響く平家物語か、それとも一期一会の茶道か、はたまた義の武士道なのか、もっともっと古いものなのか・・・。むむーー。