BibTeXに見るデータのオープンソース化

BibTeXというデータ・フォーマットを知っている人は少ないでしょう。現在では博士課程の学生でも、文献管理と言えばEndnoteだとかReference ManagerだとかProCiteだとか言ってます(たしかにMicrosoft Wordとの互換性は高いのですが)。でも、Wordフォーマットでの提出を要求する団体(学会など)は、特定企業を指示していて、そのことは道徳的に間違っていると思います。・・・それはともかく、BibTeXを使うと、そんじょそこらの文献管理システムよりもはるかに便利ですよ、そのための管理ソフトウェアもありますよ、ということを言いたかったわけです。

Mac OS X用のものでも、日本産のBibCompanionや、舶来のBibdeskといったソフトウェアがあります。これらはすべてBibTeXフォーマットをネイティブ・サポートしているので、BibCompanionに飽きたからBibdeskを使ってみようか、という「試し」がすぐにできます。つまり、オープン・フォーマットを使っているソフト間では、移行が簡単なのです。携帯電話のキャリア(NTTドコモボーダフォンau)のあいだの行き来も、携帯電話番号が変わらなければ簡単なのにね、というのと同じことです。

オフィス・スイートで使われるデータのオープンソース化が進んでいます。Open Officeが主導権を握っているOpenDocument FormatにはMicrosoftは同調していないようですが、オープン・フォーマットはISO標準への意欲満々です。そういえば元祖オープン・フォーマットを可能にしたのはロゼッタ・ストーンでした。そのおかげで現代の人間は過去の歴史を知ることができます。OpenDocument Formatは21世紀のロゼッタ・ストーンになれるかどうか。