R言語をオンライン文書をつかって勉強していたのですが、今は『Rによるやさしい統計学』で勉強しています。著者は心理統計学を専門とする人で、『よくわかる心理統計』という本も出しています。高校数学の知識しか持たない学部生が、心理学の卒業研究のために統計学を勉強しなくてはならなくなった、しかもお金がないのでSPSSなんて高いものは買えないしExcelよりも高機能なものが必要‥‥というときにR言語と本書があればなんとかなります。
この本の好感が持てる点には、「とにかく手を動かして例題を入力してみる」「グラフ化して表示する」という“原因→結果→満足感”のプロセスがしっかりしているところがあります。それでいてt検定や分散分析ていどで終わらずに、本書後半では共分散構造分析や検定力分析までカバーされています。広い範囲をカバーするために各分析手法の説明は簡素になっていますが、「統計よりもR言語じたいが分からない」や「どんな分析手法があるのか知りたい」という読者には最適です。前半では最低限身につけておきたい統計の基礎とRでの表現方法がしっかりと説明されていますので、他の統計本とあわせて読むことで、統計を別の視点から見ることが出来ます。
基礎を押さえつつ応用もつまみ食いしたい欲張りさんがハンドブック的に使うのにうってつけの本です。