Our Daily Bread (いのちの食べかた)というドキュメンタリー・フィルムを見ました。人間が食べているものが、じつはかなり工業的に作られているのだ、ということを音楽も言葉もなく淡々と見せるだけの映像作品です。
テレビ番組で「工場見学」と称して様々な食品工場のラインを見せたりしていますが、そもそもその工場にやってくる「原料」がどのように作られているかについては見る機会がほとんど無いのではないでしょうか。「いのちの食べかた」では、原料がどのように作られているかを見ることができます。麦、とうもろこし、トマト、鶏、豚、牛、牛乳・・・それらの原料工場で働く人々は、ラインの中で機械と並んで立ち、機械と同じような役割が与えられて働いています。もはや原料も農場や牧場で作られるのではなく、工場で作られるのです。これは多くの人々がうすうす気づいているにも関わらず、あまり考えたくなかったことではないでしょうか。
豚や牛の屠殺の場面なども隠すことなく見せますが、それも含め、映像の美しさは一級品です。