faster than ever

生活の速度向上にもかかわらず余暇の時間が減っていることの問題提起が載っていました。みんなもう薄々感じているんですよ、こんなに便利になったのになんで以前より有意義に時間が使えないんだろう、って。自分にとって自由に使える時間は増えたんですが、それは他人にとっても同じこと。全員が自由に使える時間が増えたんです。その中で増えた時間を自分の仕事に充てる人がいて、その人が一人勝ちしてしまいました。それではいけないと、周りの人々も自由に使える時間を仕事にまわすようになったんです。結局同じ時間をかけて以前よりも多くの仕事をこなしているんですね。これも「生活レベルを下げられない」ことが原因なのです。

さて,生活レベルを下げる、ということに似たキーワードに「スローライフ」があります。これは余裕のある人が余暇を使ってあえて不便な生活を楽しむ、ということなんです。時間的にも金銭的にも余裕のない人は、生活を今以上に「スロー」な方向へは持っていきにくいので、スローライフは楽しめません。スローライフは生活レベルを下げると見せかけて、自分のやりたいようにオーダーメイドかつ高品質な余暇を楽しんでいるので、結局は生活レベルを上げているのでしょう。不便さを楽しむというのは、庶民の暮らしを見たいがために城下町へとお忍びで出かけるお姫様を思い起こさせます。