「生き金・死に金」という言葉があります。自分にとって有利になりそうな投資は生き金、自分にとって不利になりそうな投資は死に金です。投資とは言っても株式などだけにとどまらず、僕の場合は留学に使ったお金(と時間)はいまのところ生き金です。C言語やJavaを勉強するためにいろいろと本を買いましたが、それも生き金です。Digital PerformerやAdobe Creative Suiteは買ったものの活用できていないので死に金。
お金の話では、借金はなにがあってもだめなもの、という考えの人もいます。僕は「生き金・死に金」のように、借金にも良い借金と悪い借金があると思っています。賭博にはまっている人が、資産をすべて使い果たし、それでも明日も賭博がやりたいから街金でちょっとお金を借りる・・・これは誰が見ても悪い借金です。賭博は胴元が儲かるようにできています。負けた子のお金が買った子のところに(胴元が十分にマージンを取った上で)移動するだけです。
良い借金はどんな借金でしょう。教習所に行くための預金があるが仕事がない、トラックの運転手になりたい、そこで教習所に通うために預金を下ろすのではなく借金をする(そして免許を取って運転手になって借金を返す)・・・これは良い借金になるかもしれません。ここで借金のかわりに預金をぜんぶ使ってしまうと、無事に教習所を卒業できるとしても生活費がなくて困ってしまうのです。すぐに動かせるお金を残しておいて借金をするほうがいいというのは、経営をやっている人にとっては当たり前の話なんでしょうが(とりあえず掛けで商品を買っておいて、その商品を売ってから、掛金を返す・・・無利子で借金してるのと同じですね)、僕はようやく最近になって気が付きました。
他にも、ペイオフ解禁だから借金をして土地を買うというのも、良い借金になり得ます。金融機関が破綻したとき、昨年のペイオフ解禁に伴って預金が1000万円以上あったとしても1000万円までしか保障されなくなりました。ですが、それは預金と借金の相殺が行われたあとの話。もし4000万円の預金と3200万円の借金があれば、相殺された残金800万円は全額保障されます。金融機関が破綻しても4000万円分の価値がちゃんと残るわけです。破綻しなくても、4000万円は自由に使えるお金ですし3200万円ぶんの土地も自由に使えます。もしインフレやデフレが起きて貨幣価値が上下したとしても、預金と借金で相殺されるのです。これは良い借金。
ただ免許を取ったけど仕事がないとか、借金して買った土地の価値が半減したとか、そういうこともあるので借金のよしあしは結果を見るまで分かりませんが・・・。