混乱とファシズム

国が内戦や恐慌のような混乱状態にあるときは過激派が勢力を伸ばすのは歴史からも明らかです。混乱期というのは個人個人が散り散りになっていて求心力がない時代です。そのような中で、敵をでっち上げ信じられる何かを明示する勢力が出てきて、それが強力になればファシストの誕生です。ここではファシズムを「ひとつの政治主義への国民全体による熱狂的な傾倒」と考えています。ひとつの政治主義(とそれを代表する政党)がいつのまにか社会制度を管理するようになり、それに反対する政治運動や芸術やマスコミの弾圧をするために、最終的には軍事的支配の傾向が強まります。

そしてその地位を維持するために自らでっち上げた「架空の敵」と開戦し、けっきょく最後には大敗し、国力が弱まって困る、という図だと思うのです。唯一の例外は某合衆国で、局所戦では負けても全体では勝っている状態をなんとか維持してきました。国民の層の厚さ(人種や文化の幅広さ)もそれに一役買っているのでしょうか。