ラッピングのボランティア

クリスマスも間近に迫り、マーテンス先生にクリスマスの日はうちで過ごさないかと誘われました。クリスマスのご招待なのでワインを持って出かけるのですが、ミリーちゃんにはクリスマス・プレゼントも用意しました。

おもちゃ屋さんでおもちゃを選びレジで、ラッピングはどこでやってもらえるのかと聞きました。クリスマスの時期だからラッピングのサービスくらいはあるだろうと思ったのですが、他のお客さんもみんな商品を買うとそのままビニール袋で持って出て行くので、どこか別の場所でやってるんだろうと思ったんですね。案の定、「二階上のエレベーターホールの近くで、セント・ジョン子供病院のためのやつをやってるよ」と教えてくれました。そう「子供病院」と言っていたんです。

なんのことだろう、そこに持っていくと子供病院におもちゃを寄付することになるのか、いやいや「ラッピング」という単語に寄付の意味はないだろう、と考えながらその場所に向かうと、プレゼントの箱を抱えた人たちの行列がありました。行列に並び、自分の番が来たときに色々質問してみました。すると、そこにいるラッピング・サービスをする人たちはみんなボランティアだそうで、この時期は毎年こういうボランティアがいろんなところにできるのだそうです。プレゼントを包み、任意の寄付金をもらい、この場所の人たちはそれを子供病院に寄付するとのこと。

ボランティアというとなんとなく「AのためにBが何かしてあげる」という、二者間の図式を思い浮かべるのですが、この場合は「AのためにBが何かをし、そしてCに何かしてあげる」という三者の関係になっているんですね。子供病院にとっても買い物客にとってもWin-Winの関係になっている上、十分な収益があればボランティアの人たちにもお駄賃が出るかもしれません。そういえば音楽学部のカフェテリアにもフェアトレード・コーヒーが置いてあるし、社会起業家は身近にいるのだと思ったのでした。