今はMac OS X上でEmacsとATOKなどを使っていますが、10年前〜5年前くらいに自分が以前常用していたソフトウェアを振り返ってみることにしました。その中でも「お金を出してまで使ったもの」ということで、特に有料ソフトウェアにしぼってみました。
- メール
- ARENA - 基本性能、動作スピード、かゆいところに手の届くちょっとした機能のバランスが良く、愛用したメーラーでした。ちょうどMac OS Xへの移行期だったので、アドレスブックと連携ができるApple Maiのが魅力を増したこと、Arenaが開発継続を中止したことが重なり、現在はApple Mailを使っています。
- テキストエディタ
- King's Edit - 画面分割、行ごとに色を変える、awkやsedによるフィルタリングなどなど、文章を書く理系の者にとって必要な機能をすべて備えていました。このエディタは今で言うところのTextMateに相当するような、プログラマ好みのすばらしい出来だったのです。その後、シンタックス・ハイライトを備え、しかも原稿用紙モードも備える、文理両用の無料エディタであるミミカキエディット(現在のmi)が猛烈な追い上げをしてきました。
- 僕は今はCarbon Emacsを使っています。僕と同い年のエディタだという愛着もありますし、どんなプラットフォームに行っても同様の操作感を持っているということが魅力です。
- MP3プレイヤー
- MacAmp - 現在はiTunesを使っていますが、MP3プレイヤーとしてMacAmpはMac向けに登場した(ほぼ)初のものでした。iTunes登場までのMP3黎明期を支えてくれた立役者ですが、実はMODの再生機能を備えていたことで、iTunes登場以降も僕のアプリケーション・フォルダの中では特別な位置を占めていました。その後、MODがほとんど注目されなくなり、いつのまにかMacAmpも僕のアプリケーション・フォルダから消えてしまいました。
思い入れのあったソフトウェアを総括してみると、通信+文書作成+音楽再生という、当時の僕がもっとも楽しんでいたソフトウェアだっただけでなく、僕の現在の仕事にも欠かせない3つだったことが分かります。無料のソフトがあったとしても、必要なものだったからこそお金を払って使うことになったのです。MailもEmacsもiTunesも無料(もしくはOSの同梱品)で手に入ります。現在使っていて、納得してお金を出したのは、ATOK、Omni Focus (含iPhone版)、Matlab、Scrivener、SPSSくらいでしょうか。もし研究費がなかったら、これらのうちMatlabとSPSSはOctaveとRで代用されていたかもしれません。そう考えると、それ以外の3つのソフトはなかなかのものです。