世の中には、いま買っておかないといけない本、というものが存在します。情報の速報性が重要だったり、その時代にしか合わない本(今だったらオバマ演説集とか)や、今しか手に入らないマニアックな本(FM音源の音色設定集とか)などです。
今回買ったのは後者の、いま買っておかないといつ廃盤になるか分からない『WAVプログラミング―C言語で学ぶ音響処理』という本です。音響関連の本は非常に少ないのですが、その中でもプログラミングに関してはほぼ皆無、そしてファイルフォーマットの解説がしっかりなされているものは、実を言うと今までに1冊(『A Programmer's Guide to Sound』)しか見たことがありません。WAV、AIFFからMODまで解説されている素晴らしい情報源なのですが、洋書なので誰にでもお勧めできるわけではありませんし、エフェクトの作り方は載っていません。
この『WAVプログラミング』は日本人が書いた日本語の書籍です。WAVファイルの内部構造からはじまり、WAVの読み書きに続き、単純なエフェクト(1タップ・ディレイやセンター除去)のオフライン(ファイル入出力)での実装、同じエフェクトのオンライン(リアルタイム再生)での実装で締めくくられます。ファイルの読み書きの部分は役に立ちますが、エフェクター作りの部分はかなり物足りない気もします。ただ、すぐに必要なわけではないのですが、こんなマニアックな本なので、いま買っておかないとすぐに入手困難になってしまいそうです。